退職給付金の申請サポートは怪しい?詐欺トラブルの実態と安全な見極め方

退職給付金の申請サポートは怪しい?詐欺トラブルの実態と安全な見極め方

「退職給付金」そのものは国の公的給付であり、制度自体が詐欺というわけではありません。問題視されているのは、申請サポートを掲げる事業者による不適切な説明や契約をめぐるトラブルです。怪しい勧誘かどうかは、提示される説明の言葉や契約書面を正しく確認することで見分けられます。

この記事では、申請サポートで起きているトラブル、提示される金額や振込時期が怪しく見える理由、契約前の見分け方の3点をまとめました。公的機関(国民生活センター・ハローワーク)の公表データと、退職ステップの相談担当者が持つ現場知見をもとに解説します。

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この記事の要点

  • 1数百万円という金額は、条件がすべてそろった場合の上限
  • 2手当は4週ごとに分けて支給
  • 3退職日から最初の振込までは、退職ステップの相談担当者の目安で2.5〜3ヶ月(自己都合の場合。サポートを使っても早まらない)
  • 4給付を約束されたり即決を迫られたりしたら、その場で申し込まずに書面を持ち帰る

退職給付金の申請サポートには詐欺まがいのものがある

退職給付金の申請サポートの勧誘に迷う人

退職後の給付金(失業保険など)をめぐっては、一部の申請サポート事業者による不当な勧誘や、違法すれすれの契約トラブルが相次いでいます。

国民生活センターなどの公的機関にも相談が急増しており、代表的な手口としては以下の3つが挙げられます。

  • 受給額の吊り上げをうたう勧誘と、高額なサポート料・違約金の請求
  • 無資格業者による違法な「書類作成・提出代行」(社労士法違反)
  • 受給条件を偽らせる「不正受給」の指南

公的機関がどのような注意喚起を行っているのか、実際の手口とともに確認していきましょう。

国民生活センターとハローワークが申請サポートに注意を呼びかけている

国民生活センターは2025年12月3日に、注意喚起を公表しました。対象は、失業保険の給付額等を増やせるとうたう申請サポートです。

相談件数は、2021年度の42件から2024年度は217件へ増えました。2025年度は、10月31日時点で216件でした。

公表資料は「失業保険はあくまでも行政機関による審査で決定されるものであり、給付が保証されているわけではありません」と指摘しています。

ハローワーク墨田も「雇用保険の給付額や期間は法律で定められており、事業者の介入で増えることはありません」と注意を促しています。

参照:国民生活センター「失業保険の給付額等を増やすことができるとうたう申請サポートに注意―不正受給を促すかのようなケースも!―」/ハローワーク墨田「失業保険の申請サポートにご注意ください!」

高額な費用や解約をめぐるトラブルが起きている

相談で挙がっているのは、費用と解約をめぐるトラブルです。

1つ目は、費用のトラブルです。「最大200万円の失業保険が受給できる」といった説明で契約に誘い、高額な費用を求める例が出ています。一度契約すると、期待したとおりの給付を受けられなくても、契約金額の支払いを求められることがあります。

2つ目は、解約をめぐるトラブルです。サポートを受ける前でも、高額な違約金を請求された例があります。事業者が解約に応じなかった例も、相談に寄せられました。

「書類作成から提出まで丸投げ代行」は法律違反(社労士法違反)のリスク

報酬を得て雇用保険の申請書等を作ったり、提出を代行したりできるのは、次の専門家に限られています。

  • 社会保険労務士(社労士)
  • 社労士法人
  • 弁護士など

資格を持たない事業者ができるのは、あくまで助言と指導までです。

手続きの丸投げ代行をうたう無資格の事業者は、社会保険労務士法に違反する恐れがあります。ハローワークへ出す申請書類は、資格のない事業者に任せられるものではありません。

報酬を得て申請書類の作成や提出を代行できるのは社会保険労務士など、資格のない事業者は書類の書き方や手続きの案内まで

事実と違う申請を行うと、申請した本人が不正受給に問われる

事実と違う内容で申請すると、不正受給になります。以後の基本手当は受け取れなくなり、受け取った額の返還に加えて、その2倍以下の額の納付を命じられることがあります。詐欺罪などで刑事罰の対象になることもあります。

事業者に指示された内容でも、本人の名前で提出する以上、申請者本人が責任を問われる点は変わりません。

次のような指示を受けても、応じてはいけません。

  • 特定の医療機関を受診するよう指示される
  • 窓口で、事実と違う受け答えを求められる

書類の内容が事実と合っているかは、提出の前にご自身で確かめてください。

まとめると

  • ✓疑うべきは制度ではなく、一部の事業者の説明と契約
  • ✓費用と解約をめぐるもめごとが、相談に挙がっている
  • ✓報酬を得て書類作成・提出を代行する無資格の事業者は、社労士法違反の恐れ
  • ✓事実と違う申請をすれば、申請した本人が責任を問われる


退職給付金が怪しく見えるのは金額と振込時期の誤解から

示される金額は条件がすべてそろった場合の上限、初回の振込は自己都合退職なら退職日から2.5〜3ヶ月後(退職ステップへの相談での目安)、その後は4週ごとに支給

申請サポートの説明で示される金額や振込時期は、制度の実際と食い違っています。これが、うますぎる話に見える原因です。

この章で分かること

  • ✓提示される金額は、条件がすべてそろった場合の上限
  • ✓自己都合で退職した場合、実際の振込が始まるのは退職日から2.5〜3ヶ月後(退職ステップへの相談での目安)
  • ✓その後は、4週ごとに分けて支給

当サイトを運営する退職ステップへの相談でも、「良い話すぎて逆に不安です」という声が寄せられたことがあります。実際のところ、給付額を増やせる裏技などは存在せず、国が定めたルール通りの額しか支給されません。

それでもサポートを必要とする方が多いのは、受給要件や申請手順が複雑で、「自分がどの条件に当てはまるのか分からない」「ハローワークの窓口でどう伝えていいか不安」と手続きでつまずいてしまうケースが後を絶たないためです。

「最大◯百万円」は条件がすべてそろった場合の上限

基本手当だけで数百万円に届くのは、次の条件がすべて重なった場合だけです。

  • 年齢
  • 加入期間
  • 離職理由
  • 離職前の賃金

制度上の上限は、基本手当日額(1日あたりの手当の額)と所定給付日数(基本手当を受け取れる日数)から計算します。

計算のしかた

制度上の上限額 = 基本手当日額の上限額 × 最長の所定給付日数

日額の上限額は、令和8年8月1日現在の金額です。表の「被保険者であった期間」は、雇用保険に入っていた期間を指します。

区分最長の所定給付日数上限の基本手当日額かけ算した額
自己都合などの一般の離職者(45歳以上60歳未満・被保険者であった期間20年以上)150日9,110円1,366,500円
倒産・解雇等の特定受給資格者(45歳以上60歳未満・被保険者であった期間20年以上)330日9,110円3,006,300円
就職困難者(45歳以上60歳未満・被保険者であった期間1年以上。該当するかはハローワークが個別に判断)360日9,110円3,279,600円

メモ

年齢が下がると、計算上の上限額も低くなります。日額の上限は、30歳未満が7,450円、30歳以上45歳未満が8,270円です。

上限の日額が使われるのは、離職前6ヶ月の賃金を日割りした額が高い方だけです。実際の給付率は、その日割りした額のおよそ50〜80%です。条件がそろわなければ、支給額は表の上限額を下回ります。

参照:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」/ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」

手当は一括ではなく4週ごとに振り込まれる

退職ステップへの相談では、「申請すると最初に100万円近くがまとめて振り込まれる」と考えている方が少なくありません。

退職ステップでは、次の就職が決まるまでの間は分けて受け取る形になるとお伝えしています。まとまった額を一度に受け取れるのは、早く再就職して再就職手当を受け取る場合です。

雇用保険の基本手当は、最初に全額がまとめて支給される仕組みではありません。受け取るまでの流れは、次のとおりです。

  1. 原則として4週間に1回の失業認定日(失業の状態かを確かめる日)に、ハローワークへ行く
  2. 失業の認定を受ける
  3. 認定日からおおむね1週間後に、認定された日数分の手当が指定口座に入る
失業認定日(4週間に1回)に認定を受け、認定日からおおむね1週間後に口座へ振り込まれる流れ

最初の振込は退職日から2.5〜3ヶ月後

退職日から最初の振込まで、離職票3〜14日、書類準備10〜14日、待期7日、給付制限1ヶ月、振込まで約3〜4週間。自己都合退職で計2.5〜3ヶ月(退職ステップへの相談での目安)

自己都合で退職した場合、雇用保険の基本手当(失業保険)の初回の振込は、退職日から2.5〜3ヶ月後が目安となります(退職ステップへの相談でも、このスケジュールなことが多いとお伝えしています)。

法改正で、給付制限期間(自己都合で辞めた場合に、手当が出ない期間)が短くなりました。2025年4月1日以降に自己都合で退職した場合は、原則1ヶ月です。それより前の退職では、原則2ヶ月でした。

相談現場でも、「法改正で給付制限が短縮されたため退職後すぐにもらえる」と考えている方が多く見られます。

しかし実際には、離職票が手元に届くまで退職後3〜14日ほどかかります。書類の準備にも、10〜14日程度が必要です。

また、つまずいて止まりやすいのは、この先の窓口での手続きの段階です。自己都合で退職した場合、求職の申込みのあとには、待期7日間と1ヶ月の給付制限期間があります。待期は、手当が出ない最初の7日間のことです。

給付制限明けの認定日と振込までに、さらに約3〜4週間かかります。合わせると、退職日から最初の振込までは2.5〜3ヶ月(約71〜93日)が目安です。この期間は、申請サポートを利用しても短くなりません。

怪しいサポートは説明の言葉で見分けられる

勧誘の言葉ごとに、制度上の事実と聞き返すことを並べた表

怪しいサポートかどうかは、会社の見た目や評判では分かりません。面談で言われた言葉が、制度の事実と合っているかで見分けられます。制度の仕組みと合わない勧誘文句に気づけば、契約する前に立ち止まれます。

言われたこと制度上の事実聞き返すこと
必ずもらえる・増やせる受給の可否や給付日数はハローワークの審査で決定されるその日数や金額になる根拠は、どの受給要件ですか?
受診する病院を指定される・この内容で申告して就職困難者に該当するかを判断するのはハローワークで、医療機関や事業者ではないその内容は自分の事実と違います。受診先はなぜその医療機関ですか?
書類はこちらで作って出します資格のない事業者が報酬を得て書類作成や提出を行うことは法律で禁じられている書類を作って出すのは本人ですか?
今日決めてもらえれば特典がある契約をその場で即決しなければならない公的な理由はないサービス内容や解約条件が書かれた書面を持ち帰って検討してもよいですか?

「必ずもらえる」「増やせる」と言い切る説明は制度の仕組みと合わない

基本手当を受け取れるかどうかや給付日数を決めるのは、あくまでハローワークです。民間事業者がその結果を保証することは制度上できません。面談で「必ずもらえる」「給付額を増やせる」と言われたら、「その日数や金額になる根拠は、どの受給要件ですか?」と聞き返してみてください。

そもそも事業者が受給を保証できない最大の理由は、ハローワーク窓口での本人の受け答えひとつで、受給できなくなる可能性があるからです。

退職ステップの相談現場でもよく見られるのが、窓口で就職の意思を確認された際に「一旦ゆっくり休養するつもりです」などと答えてしまい、その場で受給資格を失ってしまうケースです。

基本手当は「すぐに働く意思と能力がある人」への給付であるため、窓口での発言内容がそのまま審査結果に直結します。

返事を急がされたら、書面をもらって持ち帰る

こんな言葉で返事を急がされても、その場で申し込んではいけません。

  • 「今日中に契約すれば特典がある」
  • 「枠は残りわずかです」

サービスの内容や費用、解約条件が書かれた書面を受け取り、持ち帰って確かめてください。

国民生活センターも、契約前に次の点を慎重に確認するよう呼びかけています。

  • サービスの内容
  • 金額の妥当性
  • 解約条件

契約を急かす事業者が書面を先に見せるのを拒む場合は、その場で契約しないでください。

まとめると

  • ✓判断の材料は、面談で聞いた言葉と制度の事実
  • ✓結果を保証する説明には、根拠を尋ねる
  • ✓窓口での受け答えが、受給の可否を左右する
  • ✓即決を迫られても、書面を読んでから決める

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退職ステップの費用と安心のルール(他社トラブルとの違い)

退職ステップの進め方、手続きはご本人が行う、費用はお申し込み後のみ、解約のルールは契約前に契約書で示す

当サイトを運営する退職ステップは、雇用保険の基本手当(失業給付)の申請サポートに特化しています。

健康保険の傷病手当金は、現時点では対象外です。今後の展開に向けて、準備を進めています。申請手続きは、ご本人がハローワークで行います。当社の役割は、手続きの進め方や必要書類の書き方のご案内です。

面談で「良い話すぎて逆に不安です」と尋ねられた際は、国の雇用保険の手続きをご本人が行うためのサポートだとお伝えしています。あわせて、法的効力のある契約書を交わすこともご説明しています。

費用が発生するのは「お申し込み後」のみ

退職ステップで費用が発生するのは、サポートをお申し込みいただいた時点からです。それまでの相談は無料で、面談のあとに辞退された場合でも費用はかかりません。

費用が発生する時期は、面談の際に口頭と書面の両方でお伝えしています。サポート費用の具体的な金額は公開しておらず、無料相談で契約を交わす前にお伝えする方針です。

途中でキャンセル・解約はできる?契約前の書面提示と明確な解約ルール

お申し込み後に途中でキャンセルされる場合の取り扱いについては、契約書に明記しています。

契約を交わす前に契約書の該当箇所をお示ししているため、解約時のルールはその場で確かめられます。キャンセル時にかかる費用の扱いも、ご契約の前の面談でお伝えする項目のひとつです。

ご依頼をお受けできない場合があります

次に当てはまる方からのご依頼は、お受けできない場合があります。

  • ハローワークで、すでに手続きを始めている方
  • 次の就職先の内定が出ている方

退職ステップへのご相談は、退職予定日の約1ヶ月前から受け付けています。自己都合・会社都合のどちらも対象です。

まとめると

  • ✓手続きはご本人、当社は進め方と書類の書き方の案内
  • ✓お申し込みまでは、費用がかからない
  • ✓解約のルールは、契約前に書面で確かめられる
  • ✓受給要件から外れる依頼は受けない

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退職給付金申請サポート関連詐欺や怪しい勧誘のよくある質問

退職給付金申請サポートについてよくある質問

退職給付金や申請サポートについて、よくある3つの疑問に公的制度の仕組みに沿って答えます。

社会保険給付金も同じものを指す?

「社会保険給付金」も、法律上の正式な制度名ではありません。雇用保険の基本手当や健康保険の傷病手当金などを、まとめて呼ぶ通称として使われています。

どの公的給付を対象にしているかは、事業者ごとに違います。健康保険の傷病手当金は、病気やケガで働けない期間の生活を保障する給付です。失業給付とは、受給要件や申請先が異なります。

サポートを使わずに自分で申請できる?

制度上、サポートを使わずにご自身だけでハローワークへ申請することは可能です。国民生活センターも指摘している通り、本来は公的窓口で案内を受けながら自力で進めるのが基本です。

ただし、実際の手続きは想像以上に複雑で、思わぬ落とし穴が多いのが実情です。

退職ステップへの相談でも、受給開始までにハローワークの窓口へ足を運ぶ回数は3〜4回に及び、書類の準備も含めると多くの時間と労力がかかります。離職票の記載が事実と合っているかの確認や、窓口で体調や退職理由を事実どおりに伝える準備も必要です。

「時間や手間をかけて自分で調べ上げられるか」「受給ミスを防いでスムーズに進めたいか」によって、自力で行うかサポートを検討するかが分かれます。

契約後にトラブルになったらどこに相談する?

申請サポートとの間でトラブルが生じたら、消費者ホットラインに電話をかけてください。

メモ

  • ✓消費者ホットライン:局番なしの「188」
  • ✓地方公共団体が設けている、身近な消費生活センター等の相談窓口を案内してもらえます。

次のような場合も、ここが相談先です。

  • 事業者の説明と、契約書面の内容が違っていた
  • 高額な違約金を請求された

土日祝日に地元の窓口が開いていないときは、国民生活センターが10時から16時まで相談を受け付けています。

参考:消費者庁「消費者ホットライン」

まとめ│退職給付金自体は国の公的制度!怪しいサポートに騙されないための見極め方

退職給付金の申請サポートを見極めるためのまとめ

退職給付金と呼ばれる給付そのものは、国の公的制度です。疑うべきは、申請サポートの説明と契約です。

公的機関は、次の2つに注意を呼びかけています。

  • 高額な費用や解約をめぐるトラブル
  • 事実と違う内容での申請を勧める例

事実と違う申請をすれば、勧めたのが事業者でも、申請した本人が責任を問われる立場です。こうしたトラブルを避け、悪質な勧誘に惑わされないためにも、押さえておくべき重要ポイントを整理しました。

まとめると

  • ✓数百万円という金額は、条件がすべてそろった場合の上限
  • ✓手当は4週ごとに分けて支給
  • ✓退職日から最初の振込までは、退職ステップの相談担当者の目安で2.5〜3ヶ月(自己都合の場合。サポートを使っても早まらない)
  • ✓給付を約束されたり即決を迫られたりしたら、その場で申し込まずに書面を持ち帰る

説明の中身が制度の事実と合っているかを自分で確かめれば、怪しい勧誘は見分けられます。

退職ステップでは、退職予定日の約1ヶ月前からLINEでの無料相談を受け付けています。面談のあとにサポートの利用を辞退された場合でも費用はかかりませんので、手続きの進め方を確認したい方はご活用ください。

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