再就職手当を満額もらうには?いつまでに入社すれば70%か

再就職手当を満額もらうには、支給残日数を所定給付日数の3分の2以上残して就職する必要があります。この70%の区分が満額です。この記事では、再就職手当がいつもらえるか、いつまでに入社すれば70%に届くかを、所定給付日数から逆算して整理しました。
厚生労働省の計算例では、就職日が50日ずれるだけで受取額に211,200円の差が生まれました。認定日ごとに分割で受け取る失業手当と違い、支給が決まれば全額が一括で振り込まれます。ただし振り込みは申請してすぐではなく、ハローワークの調査だけでおおむね1ヶ月かかります。
早く就職するほど得とは限りません。手当の総額だけなら、失業手当を満了まで受け取ったほうが大きくなります。入社日と申請日を決める材料にしてください。
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【結論】再就職手当を満額もらうには、押さえるのは3つだけ

再就職手当を満額で受け取るために確認すべきことは、次の3つに絞られます。
| 押さえること | 満たすべき基準 | 外れた場合に起こること |
| 支給残日数を残す | 所定給付日数の3分の2以上 | 給付率が70%から60%へ下がり、3分の1未満では支給されない |
| 就職の時期を選ぶ | 給付制限がある人は制限期間(原則1ヶ月)の中で就職する | 給付制限が明けた翌日から残日数が減り続ける(給付制限がない方は待期満了の翌日から) |
| 日額が上限を超えていないか確かめる | 59歳以下は6,745円、60歳以上65歳未満は5,454円が算定上限 | 超えた分は再就職手当に反映されず、満了受給との差が開く |
3つのうち1つでも外れると、受け取れる額は目に見えて下がります。59歳以下で所定給付日数が330日の方が上限額のまま満額を受け取った場合、一括で振り込まれる額は1,558,095円です。分割ではなく1回で入るお金なので、転職直後の引っ越し費用や生活費にそのまま充てられます。
確認する順番は、支給残日数、給付制限の有無、基本手当日額の3つです。支給残日数を測る前提になるのが、離職理由と年齢、雇用保険に加入していた期間で決まる所定給付日数です。
給付制限があるかどうかで、入社日をいつまでに設定すべきかが大きく変わります。判定は就職した日で確定し、後から調整はできません。内定が出た段階で3つを揃えてください。
このうち最も間違えやすいのが、2つ目の就職の時期です。残日数がいつから減り始めるのかを、時間の流れで確かめておきましょう。

再就職手当の満額とは給付率70%で受け取ること

満額という言葉は、失業手当の全額を受け取れるという意味ではありません。再就職手当には給付率の上限があり、どれだけ早く就職してもマックスで残日数の70%です。
さらに基本手当日額にも算定上限が設けられており、離職前の収入が高かった方ほど頭打ちの影響を受けます。満額を左右するのは給付率・支給残日数・日額上限の3つで、どれか1つを読み違えると受取額は想定を下回ります。
給付率は支給残日数によって70%・60%・支給なしの3区分に分かれる
再就職手当の給付率は、就職した時点で受給日数がどれだけ残っていたかによって決まります。
| 支給残日数 | 給付率 | 残り1日あたりの受取額 | 30日分に換算した差 |
| 所定給付日数の3分の2以上 | 70% | 2,800円 | ― |
| 所定給付日数の3分の1以上3分の2未満 | 60% | 2,400円 | 12,000円の減 |
| 所定給付日数の3分の1未満 | 支給なし | 0円 | 全額を失う |
1日あたりの受取額は基本手当日額4,000円で計算しています。区分はこの3つのみで、70%を超える枠は用意されていません。そのため満額もらうという言葉は、70%の区分を確保することと同じ意味になります。
支給額は基本手当日額×支給残日数×給付率で決まる
計算式は、基本手当日額に支給残日数と給付率を掛け合わせたものです。1円未満の端数は切り捨てとなります。厚生労働省が公開している計算例で、就職時期による差を比べます。
| 就職の時期 | 減った支給日数 | 支給残日数 | 給付率 | 支給額 |
| 受給資格決定日以後50日目 | 42日 | 228日 | 70% | 638,400円 |
| 受給資格決定日以後100日目 | 92日 | 178日 | 60% | 427,200円 |
| 2つの差 | 50日 | 50日 | 10ポイント | 211,200円 |
いずれも基本手当日額4,000円・所定給付日数270日の場合です。減った日数は50日ぶんでも、給付率の低下が重なって受取額は211,200円も開きます。
支給残日数は就職日の前日までの認定を受けた後の日数
支給残日数とは、就職日の前日までの失業の認定を受けたうえで、なお残っている基本手当の支給日数を指します。待期期間は受給資格決定日を含めて7日間あり、この間は基本手当が支払われません。
給付制限がない方は、待期が明けた翌日から日数が減っていきます。 失業の認定は原則として4週間に1回のため、就職が決まった時点で認定日を待たずにハローワークへ連絡してください。前項の計算例で50日目の就職に対し42日分が減っているのは、就職日の前日までの49日から待期の7日を差し引いた結果です。
給付制限がある人は制限期間中に就職すれば残日数が減らない
自己都合で退職した方には、待期満了の翌日からさらに給付制限がかかります。期間は2025年4月1日以降に離職した方で原則1ヶ月です。
離職日から遡って5年間に2回以上、正当な理由なく自己都合で退職しそのつどハローワークで受給資格の決定を受けている場合は3ヶ月になります。数えるのは退職した回数ではなく受給資格の決定を受けた回数です。
過去に退職はしていても失業手当の手続きをしていなければその分はカウントされません。なおご自身の責めに帰すべき重大な理由で解雇された場合も3ヶ月です。
この間は基本手当が支払われないため、支給残日数が一切減りません。
制限期間中に入社すれば所定給付日数がまるごと残り、給付率は70%になります。判定に使われるのは内定日ではなく入社日です。
厚生労働省の計算例でも、基本手当日額4,000円・所定給付日数90日の方が給付制限期間中に就職したケースで、支給残日数90日の70%にあたる252,000円が支払われました。
給付制限は不利な期間と受け止められがちですが、再就職手当については有利に働きます。ただし待期満了後の1ヶ月間は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介を受けて応募した就職でなければ対象になりません。給付制限中に決めるなら、応募の前に紹介状を受け取ります。
基本手当日額の上限を超える分は反映されない
再就職手当の算定に使う基本手当日額には、年齢に応じた上限が設けられています。2026年8月1日から適用されている額は次のとおりです。額は毎年8月1日に改定されます。
| 離職時の年齢 | 基本手当日額の上限 | 再就職手当の算定に使う上限 | 2つの上限の差(1日あたり) | 残180日で70%を確保した場合の目減り |
| 29歳以下 | 7,450円 | 6,745円 | 705円 | 88,830円 |
| 30歳以上45歳未満 | 8,270円 | 6,745円 | 1,525円 | 192,150円 |
| 45歳以上60歳未満 | 9,110円 | 6,745円 | 2,365円 | 297,990円 |
| 60歳以上65歳未満 | 7,830円 | 5,454円 | 2,376円 | 299,376円 |
4列目は2つの上限そのものの差です。5列目は、その差に残日数180日と給付率70%を掛けた目減り額になります。2つの上限は別枠で管理されており、日額が高い方ほど再就職手当では削られます。
参照:厚生労働省|基本手当日額の変更(2026年8月1日から)
所定給付日数別に見る70%ラインの残日数

70%を確保できるかどうかは、自分の所定給付日数が何日あるかによって変わります。所定給付日数を決めるのは離職理由・年齢・雇用保険に加入していた期間の3つで、同じ勤続年数でも会社都合か自己都合かで大きな差が出ます。
まず自分の日数を確かめ、そこから何日残せばよいかを逆算してください。所定給付日数が90日の方と330日の方では、70%ラインとなる残日数に160日の開きが出ます。
離職理由によって所定給付日数は90日から330日まで変わる
自己都合と会社都合では、同じ勤続年数でも所定給付日数が倍以上に開きます。
| 被保険者であった期間 | 自己都合・定年(65歳未満) | 倒産・解雇等(30歳未満) | 同(30歳以上35歳未満) | 同(35歳以上45歳未満) | 同(45歳以上60歳未満) | 同(60歳以上65歳未満) |
| 1年未満 | ― | 90日 | 90日 | 90日 | 90日 | 90日 |
| 1年以上5年未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 150日 | 180日 | 150日 |
| 5年以上10年未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 180日 | 240日 | 180日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 | 270日 | 210日 |
| 20年以上 | 150日 | ― | 240日 | 270日 | 330日 | 240日 |
※契約期間が満了して離職した方のうち更新を希望していたのに更新されなかった方(いわゆる雇止め)は、自己都合ではなく特定理由離職者として扱われます。現状離職日が2027年3月31日までであれば所定給付日数は右側の「倒産・解雇等」と同じ日数になり給付制限もかかりません。契約社員やパートで契約が終了し上記に当てはまる方は自己都合の列ではなく倒産・解雇等の列で日数を確認してください。
自己都合の1年未満が空欄なのは、原則として離職前2年間に12ヶ月以上の被保険者期間が必要なためです。
倒産や解雇による離職であれば、離職前1年間に6ヶ月以上で受給資格を得られます。この区分を決めるのは会社ではなくハローワークです。
参照:厚生労働省|雇用保険受給者向けパンフレット(所定給付日数と給付制限)
所定給付日数ごとに70%ラインとなる残日数
自分の所定給付日数がわかったら、次の表で70%を確保できる残日数と、その場合の上限額を確認してください。
| 所定給付日数 | 70%となる支給残日数 | 60%となる支給残日数 | 日数をすべて残した場合の支給額(日額の上限で計算) |
| 90日 | 60日以上 | 30日以上60日未満 | 424,935円 |
| 120日 | 80日以上 | 40日以上80日未満 | 566,580円 |
| 150日 | 100日以上 | 50日以上100日未満 | 708,225円 |
| 180日 | 120日以上 | 60日以上120日未満 | 849,870円 |
| 210日 | 140日以上 | 70日以上140日未満 | 991,515円 |
| 240日 | 160日以上 | 80日以上160日未満 | 1,133,160円 |
| 270日 | 180日以上 | 90日以上180日未満 | 1,274,805円 |
| 300日 | 200日以上 | 100日以上200日未満 | 1,416,450円 |
| 330日 | 220日以上 | 110日以上220日未満 | 1,558,095円 |
| 360日 | 240日以上 | 120日以上240日未満 | 1,699,740円 |
支給額は59歳以下の上限である日額6,745円で計算しています。300日と360日は、障害のある方など就職が困難な方の所定給付日数です。日数をすべて残せるのは、給付制限期間中に就職した場合か、待期満了の翌日に入社した場合に限られます。所定給付日数が90日の方であれば、残り60日を切る前に入社できるかが分かれ目になります。
残日数が3分の1未満だと再就職手当は支給されない
支給残日数が所定給付日数の3分の1を下回った時点で、再就職手当の対象から外れます。
60%にも届かないため、支給額はゼロになります。以前は残日数が少ない場合の受け皿として就業手当が用意されていましたが、2025年4月1日に廃止されました。
現在は残日数が3分の1を割った場合の代替となる給付がありません。障害のある方など就職が困難な方に限り、常用就職支度手当という別の制度が設けられています。
参照:厚生労働省|令和6年雇用保険制度改正(2025年4月施行分)
早期就職と満了受給はどちらが手元に多く残るのか

早く就職して70%を取るのが得だと考えがちですが、手当の額だけを比べると話は逆になります。再就職手当は残日数の70%が上限のため、失業手当を最後まで受け取ったほうが給付の総額は大きくなります。
それでも早期就職が有利になるのは、就職先の給与という別の収入が同じ期間に加わるからです。判断を分けるのは、所定給付日数・基本手当日額・転職先の賃金・入社可能な時期の4つです。
手当の額だけを比べると満了受給のほうが多い
基本手当日額4,000円・所定給付日数90日の方で比べます。
| 比較する項目 | 満了まで受給する場合 | 給付制限中に就職する場合 |
| 受け取れる手当 | 基本手当90日分 | 再就職手当(残90日の70%) |
| 手当の額 | 360,000円 | 252,000円 |
| 手当を受け取る形 | 認定日ごとに分割 | 支給決定後に一括 |
| 同じ期間に得られる給与 | なし | 就職先からの3ヶ月分 |
| 失業していた期間 | 待期と給付制限の後、さらに90日 | 待期と給付制限の期間のみ |
手当だけを比べれば差額は108,000円で、満了受給が上回ります。給付率が70%である以上、この逆転は起こりません。早く就職するほど、手当そのものは減ります。
ただし満了受給の360,000円は認定日ごとに4週間おきの分割で、受け取り終えるまでに90日かかります。再就職手当の252,000円は支給決定後に一括で入るため、まとまった額が早く手元に届くのは早期就職のほうです。
再就職先の給与を含めると早期就職が上回る
満了受給で得られる360,000円は、90日という失業期間と引き換えに受け取るお金です。早期就職を選べば、再就職手当に加えて就職先の給与が同じ期間に入ってきます。
この例での分かれ目は、残90日にあたる3ヶ月分の給与が手当の差額108,000円を上回るかどうかです。月額36,000円を超える給与が出るなら、期間あたりの手取りは早期就職が上回ります。
なお再就職先に6ヶ月以上雇用され、その6ヶ月の賃金が離職前を下回った場合には、就業促進定着手当を申請できます。
日額が上限を超える人は再就職手当が目減りする
判断をさらに難しくするのが、基本手当日額の上限です。算定上限は59歳以下で6,745円、60歳以上65歳未満で5,454円です。
この額を超える日額の方は、失業手当を満了まで受け取れば日額どおりに受け取れますが、再就職手当に切り替えると上限で頭打ちとなり、本来の日額との差はそのまま消えます。
45歳以上60歳未満で日額が上限の9,110円なら、180日を残しても目減りは297,990円です。60歳以上65歳未満で上限の7,830円なら299,376円です。離職前の年収が高かった方ほど、早期就職で失うものは大きくなります。
日額が算定上限未満で、残日数の期間に得る給与が手当の差額を超えるなら早期就職が有利
判断の基準は2つです。基本手当日額が算定上限(59歳以下6,745円/60歳以上65歳未満5,454円)に届いていない方は、再就職手当で目減りする分がありません。手当の総額では満了受給が上回るため、早期就職が有利になるのは、支給残日数にあたる期間に得る給与が手当の差額を上回る場合です。
差額は基本手当日額に支給残日数を掛けた額の30%分で、日額4,000円・残90日なら108,000円になります。
ただし所定給付日数・基本手当日額・転職先の賃金・入社可能な時期の4つを同時に扱うことになり、離職理由の区分によっては所定給付日数そのものが変わるため、前提から見直しが必要な方も少なくありません。
判断を誤ると、受け取れたはずの金額を取りこぼしたまま手続きが終わってしまいます。
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再就職手当の支給要件

再就職手当には複数の支給要件があり、1つでも外れると給付そのものを受けられません。ここでは満額を狙ううえで影響の大きいものに絞って確認します。就職の形態や時期に関わる要件は、入社日を決める前に押さえておくと後戻りを防げます。
特に確認しておきたいのは、就労を始めた日・雇用契約の中身・内定の時期・入社先との関係の4つです。
待期期間が経過してからの就職であること
再就職手当の対象となるのは、待期期間が満了した後に就職した場合に限られます。待期期間は受給資格決定日を含めた7日間で、この期間中に働き始めると要件から外れます。一方、内定の連絡を受け取った日が待期中であっても問題はありません。
判断の基準となるのは、あくまで就労を開始した日です。ハローワークでの手続き直後に内定が出た場合、入社日を待期満了後にずらせるかどうかが最初の交渉点になります。
1年を超えて勤務することが確実で、原則として雇用保険の被保険者になること
要件で見られるのは雇用形態ではなく、1年を超えて働き続けることが確実かどうかと、原則として雇用保険の被保険者になるかどうかです。そのため正社員でなくても対象になり得ます。
ただし、1年以下の契約期間が定められ、更新に一定の目標達成が条件付けられている場合は該当しません。 派遣で働く場合も、具体的な派遣予定がないまま登録しただけでは要件を満たさない扱いになります。自分で事業を始めた場合は被保険者になりませんが、1年を超えて事業を続けることが確実と認められれば対象です。
受給資格決定より前に内定していた事業主でないこと
求職の申込みをする前からすでに採用が内定していた会社へ入社した場合、再就職手当は支給されません。ハローワークで受給資格の決定を受けた日(離職票を提出して求職の申込みをした日)と、内定の連絡を受けた日のどちらが先かで判断されます。
在職中に転職活動を進めていた方は、この順序を取り違えやすいところです。退職前に内定が出ていたのであれば、受給資格決定日より前の内定にあたるため対象外になります。どちらに該当するか曖昧な場合は、離職票を提出する前に窓口で確かめます。提出後に判定を覆すことはできません。
離職前の事業主でなく過去3年以内に受給していないこと
離職した会社へ再び雇用された場合は対象外です。あわせて、資本・資金・人事・取引のいずれかの面で密接な関わりがある会社へ入社した場合も支給されません。
グループ会社や取引先への転職なら、応募の前にハローワークで関係の有無を確かめましょう。
もう1つ見落としやすいのが受給歴です。短い間隔で転職を重ねている場合、再就職手当または常用就職支度手当を就職日前3年以内に受け取っていないかが分かれ目になります。
満額を逃す3つの落とし穴
要件を理解していても、手続きの進め方によって結果的に対象から外れてしまうことがあります。特に多いのが、待期期間の数え方と応募経路にまつわる誤解です。
どちらも本人に落ち度があるわけではなく、制度の細かい取り扱いを知らないまま動いた結果として起こります。つまずくのは待期中の就労・オンライン自主応募・給付制限の解除後の応募の3つで、いずれも入社日を決める前に潰せます。
待期中に働くと待期満了日が後ろにずれる
待期期間は暦の上での7日間ではなく、失業している状態が通算して7日に達するまでを指します。そのため待期中にアルバイトなどで働いた日は、待期の日数として数えられません。
数日働いただけでも、満了日はその分だけ後ろへずれます。 ずれた結果、入社予定日が待期期間中に含まれてしまえば再就職手当の対象から外れます。手続き直後に短期の仕事を挟むつもりなら、入社日を決める前に確かめるべきは、働いた日数を足した満了日です。
オンライン自主応募はハローワークの紹介にならない
給付制限がある方は、待期満了後の1ヶ月間に限り、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職でなければ再就職手当を受け取れません。扱いが分かれるのは、応募の経路です。
| 応募の方法 | 給付制限がある人の、待期満了後1ヶ月間の扱い |
| ハローワークの窓口で紹介状を受け取って応募 | 対象になる |
| ハローワークからのオンラインハローワーク紹介 | 対象になる |
| 許可・届出のある職業紹介事業者の紹介で応募 | 対象になる |
| ハローワークインターネットサービスからのオンライン自主応募 | 対象にならない |
| 転職サイトや企業サイトから直接応募 | 対象にならない |
転職エージェントは許可または届出のある職業紹介事業者にあたるため、担当者の紹介を受けて応募すれば対象になります。同じ求人でも、紹介を受けたかどうかで結果が変わります。待期満了後1ヶ月の間だけは、応募より先に紹介を受けるのが条件です。
この縛りがかかるのは給付制限が1ヶ月の方も3ヶ月の方も、待期満了後の1ヶ月間だけとなります。給付制限が3ヶ月の方であれば、残りの2ヶ月間は転職サイトからの直接応募で決まった就職でも再就職手当の対象になります。
参照:厚生労働省|雇用保険受給者向けパンフレット(オンライン自主応募の注意)
教育訓練で給付制限が解除されても待期満了後1ヶ月は紹介の縛りが残る
2025年4月以降にリ・スキリングのための教育訓練等を受けた方は、給付制限が解除され、待期満了後から基本手当を受け取れます。ただし解除されるのは給付制限だけです。応募経路に関する要件はそのまま残ります。
ハローワークのリーフレットにも、給付制限の解除が適用された方について「待期満了後1か月間については、ハローワーク等または許可・届け出のある職業紹介事業者等の紹介により就職したものであること」が必要と明記されています。
制限が外れたのだから自由に応募してよいと解釈しがちなところですが、2つの要件は別々の判定です。
再就職手当はいつもらえる?申請から入金までの期間

再就職手当は申請してすぐ振り込まれる給付ではありません。就職の届出から支給決定まで複数の段階を経るため、入金までには1ヶ月半から2ヶ月ほどかかります(ハローワークの公表値ではなく、実務上の目安です)。
提出する書類には就職先の記入が必要なものが含まれ、自分だけでは完結しません。手続きが止まりやすいのは、採用証明書の記入待ちと事業主の証明欄の2ヶ所です。
就職が決まったらまず就職の届出をする
再就職手当の申請より前に、就職が決まった事実をハローワークへ届け出ます。窓口で必要になるのは次の書類です。
| 書類 | 記入する人 | 押さえておきたいこと |
| 雇用保険受給資格者証 | ハローワーク | 雇用保険説明会で交付される。手続きのたびに持参する |
| 採用証明書 | 就職先 | 入社先の担当者に記入を依頼する。自分だけでは用意できない |
| 失業認定申告書 | 本人 | 認定日ごとに提出する書類。就職が決まった旨を記入する |
必要な書類はハローワークによって案内が異なるため、来所の前に管轄の窓口へ電話で確かめます。この届出を済ませないと支給申請書を受け取れません。
以降の手続きがすべて後ろ倒しになります。 自分で手を打てるのは採用証明書です。入社先の担当者に記入を依頼する書類のため、依頼してから戻ってくるまでの日数を見込みます。内定通知を受け取った時点で用紙を先に渡し、初出勤日までに書いてもらえるよう頼んでおくと滞りません。
申請の期限は就職日の翌日から1ヶ月以内
再就職手当支給申請書の提出期限は、就職した日の翌日から1ヶ月以内です。申請書には事業主が記入する証明欄があり、入社直後は業務の引き継ぎに追われやすい時期です。証明をもらうタイミングを逃すと、1ヶ月の期限はすぐに迫ってきます。
提出方法は本人の来所以外に、代理人による提出と郵送も認められています。遠方へ転居した方や平日に窓口へ行けない方の選択肢が、郵送です。添付するのは雇用保険受給資格者証です。
ただし雇用保険法第74条により、失業等給付を受ける権利は行使できるときから2年で時効消滅すると定められています。期限を過ぎた申請でも、この2年以内であれば受け付けてもらえます。とはいえ申請が遅れた分だけ入金も後ろへずれる点は変わりません。
申請後はハローワークの調査に約1ヶ月かかる
支給申請書を提出すると、ハローワークが就職先への在籍確認を含む調査に入ります。調査に要する期間はおおむね1ヶ月です。書類に不備がなく採用証明書も早く揃った場合でも、この1ヶ月は動かせない下限になります。
記入漏れがあったり就職先の証明が遅れたりすると、調査の開始そのものが後ろへずれます。自分で短縮できるのは書類を早く正確に揃えるところまでで、調査に要する期間は動かせません。
支給決定通知書が届いてからおおむね1週間で入金される
ここまでの各段階を、期限と目安の期間で整理すると次のとおりです。
| 段階 | 期限または目安 | 遅れる主な原因 |
| 就職の届出 | 就職が決まり次第 | 採用証明書の記入待ち |
| 支給申請書の提出 | 就職日の翌日から1ヶ月以内 | 事業主の証明欄が埋まらない |
| ハローワークの調査 | おおむね1ヶ月 | 就職先への在籍確認に時間がかかる |
| 支給決定通知書の到着 | 調査の終了後 | 在籍確認の結果によって前後する |
| 口座への振込 | 通知書の到着からおおむね1週間 | 金融機関ごとの着金日の違い |
通知書の到着が入金時期を測る目安になります。振込までおおむね1週間という期間は、失業の認定を受けた基本手当について案内されているものです。
再就職手当も同じ口座へ振り込まれますが、日数を確約するものではありません。申請してから連絡がない間は調査が続いている段階です。
進捗を測れる基準は、通知書が届いているかどうかの1点だけです。 申請から入金までを通算すると、1ヶ月半から2ヶ月程度を見ておくと安全です。この期間はハローワークが公表した数字ではないため、確約されたものではありません。再就職手当は分割ではなく全額が一度に振り込まれますが、届くまでの2ヶ月分は自力でつなぐ前提で資金計画を立ててください。
申請の不備で受け取れる額を減らさないために
再就職手当は申請の順序や書類の内容ひとつで、支給額が変わったり対象から外れたりします。就職の届出を後回しにした、紹介状を受け取らずに応募した、内定の時期を取り違えていたといった理由で、本来受け取れる額を逃すことがあります。
要件と手続きが細かく分かれているため、自分の進め方が正しいかどうかは判断しづらい部分です。失業手当と再就職手当の両面から取りこぼしを確認する無料相談を、下記で受け付けています。
再就職手当についてよくある質問

再就職手当は働き方や離職の事情によって扱いが変わるため、細かい疑問が残りやすい給付です。ここでは相談の多い4つの質問に、結論から答えます。
自営業を始めた場合も再就職手当の対象になる
会社へ就職した場合だけでなく、自分で事業を始めた場合も再就職手当の対象になります。ただし給付制限がある方は、待期満了後1ヶ月の期間を経過した後に開業したものでなければ対象になりません。給付制限がない方であれば、待期が満了した翌日以降の開業で対象です。 事業を始めた場合は、申請の期限や必要な書類が雇用される場合と扱いの異なる部分があります。開業日を決める前に、自分に給付制限があるかどうかをハローワークで確かめます。
受給後に離職しても残日数分を受け取れる場合がある
再就職手当を受け取った後に離職し、再び失業の状態になった場合でも、受給期間内であれば再就職手当分を除いた残日数分の基本手当を受けられる可能性があります。
一度受け取ったら終わりと考えて手続きをしない方もいますが、権利が消えるわけではありません。転職先が自分に適さなかったという状況でも、生活を支える手段は残されています。確認するのは、受給期間が残っているかと、再就職手当分を差し引いた残日数の2点です。
参照:厚生労働省|Q&A 労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)
延長給付の残日数は再就職手当の計算に含まれない
訓練延長給付や個別延長給付を受けている方の場合、延長された分の支給残日数は再就職手当の計算に算入されません。所定給付日数と延長給付は別々に扱われるためです。延長分を足した日数で3分の2以上あると考えていると、実際の給付率が想定と食い違います。
延長給付を受けながら就職活動をしている場合、判定に使われるのは本来の所定給付日数に対する残日数だけです。
離職理由の区分に納得できない場合は異議を申し立てられる
離職理由の区分を決めるのは会社ではなくハローワークです。事業主が主張する理由と離職者本人が主張する理由の双方を確認し、資料による事実確認を経て判定されます。離職票の記載に事実と異なる部分があれば、窓口でその旨を申し出られます。
決定そのものに納得できない場合の手段が、雇用保険の審査請求制度です。自己都合か会社都合かで所定給付日数と給付制限の有無が変わり、再就職手当の元になる残日数も動きます。手戻りを防げるのは、離職票が届いた時点での記載確認だけです。
まとめ|再就職手当の満額は3つの数字で決まる

再就職手当を満額で受け取れるかどうかは、支給残日数・給付制限の有無・基本手当日額の上限という3つの数字で決まります。
所定給付日数の3分の2以上を残して就職すれば給付率は70%となり、給付制限がある方なら制限期間(原則1ヶ月)中の就職で所定給付日数がまるごと残ります。ただし、満額を取ることが常に最も多く残る選択とは限りません。
手当の額だけを比べれば失業手当を満了まで受け取ったほうが大きく、基本手当日額が59歳以下で6,745円、60歳以上65歳未満で5,454円を超える方は、再就職手当側で頭打ちになります。
日額が算定上限に届いていない方で、支給残日数にあたる期間に得る給与が手当の差額を上回るなら、早期就職を選んだほうが手元には多く残ります。
しかも再就職手当は支給決定後に一括で振り込まれるお金です。分割で受け取る失業手当より、まとまった額が早く使えます。
給付制限がない方なら、迷っている間も残日数は減り続けます。退職ステップのLINE無料相談で、自分の状況を伝えるところから始められます。ぜひお気軽にご相談ください。